この大きな提灯は「高張提灯(たかはりぢょうちん)」と呼ばれ、竿の先に高く吊るして門前に張り出すように揚げたので「高張」と名がついたとか。
元々は江戸時代初期に武家屋敷で使われていた照明用具であるが、その後、芝居小屋などで使われ、現在は、神社などの祭事に使われている。お祭りのときに家の軒先に家紋や屋号を書いた提灯を飾る家は少なくなり今ではほとんど見かけることがなく昔ながらの風習が失われつつある。
現在この提灯を作っている 梶尾盛俊 さんは7代目で奥さんと二人で創業200年余の伝統を守り続けている。
提灯に必要な和紙は旧五十崎町で提灯用に漉いた和紙を使い竹ひごは九州から仕入れ、糊は2種類の糊を混ぜ合わせたものを使っており1つ完成するのに1週間はかかる。作業で一番気を遣うのは墨で文字や紋を書き入れる時で失敗が許されず慎重に丁寧に書く必要があるとのこと。
提灯を見ると、電気や懐中電灯がない時代に昔の人は折りたたみが出来る提灯をよく考え出したものと感心します。和紙と竹ひごで出来た提灯は灯りのない当時にしては画期的なものだったでしょう。
お祭りなどで提灯を見ることがあったらじっくり見てみましょう。南予で提灯を作っているのはここ1軒だけなのできっと「ひらぢ屋提灯製作所」が作った提灯でしょう。
by 「ひとりしずか」 でした。
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