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2014
01.01

筒描染 節句幟「尉(じょう)と姥(うば)」若松旗店

愛媛県八幡浜市浜之町で、文政5(1822)創業地細工紺屋若松旗店の五代目 若松 智 さんが、江戸時代から続く「筒描染」の技法を用いて作った「節句幟(尉(じょう)と姥(うば)」(長さ約10m、幅約1m)を紹介します。

若松さんは、日本独自に確立された染色方法で、現在では全国でも行える職人が数少なくなった「筒描染」という江戸後期の創業から続く技法を守り続けており、愛媛県伝統工芸士に認定されています。

節句幟は、武家に男の子が生まれた時の祝い事が庶民に広がったとの説もあり、幟の図柄は、金太郎、桃太郎、豊臣秀吉、加藤清正など男の子らしい絵柄が多い中、今回は「(じょう)と姥(うば)」を紹介します。この節句幟は、「国立歴史民俗博物館」から注文があって作成したもので、20131126日~201456日まで、同博物館で「さまざまな節供」として展示されています。 

「尉(じょう)と姥(うば)」または「高砂(たかさご)」の絵柄 
     高砂16

   

「尉(じょう)と姥(うば)」と聞いてもピンと来ない方が多いと思いますが、「」の謡曲で「高砂(たかさご)」とつながりがあります。

「高砂(たかさご)や~、この浦舟に帆を上げて~。」と、昔の結婚披露宴で謡われる有名な唄を聞いた方は多いでしょう。

これは、九州阿蘇宮の神官が、松が美しい播磨の国、高砂の浦にやってきたとき、老夫婦が木陰を掃き清めていた。老人は、高砂の松と住吉の松とは相生の松、離れていても夫婦であるとの伝説を説いて夫婦相老の仲睦まじさを述べ、その老夫婦は、自分達は高砂・住吉の松の精である事を打ち明け、小舟に乗り追風をはらんで消えて行く。神官もまた満潮に乗って舟を出し松の精を追って住吉に辿り着く。

この時の場面が、「高砂や この浦舟に 帆を上げて この浦舟に帆を上げて月もろともに 出潮(いでしお)の 波の淡路の島影や 遠く鳴尾の沖過ぎて はやすみのえに 着きにけり はやすみのえに 着きにけり」と謡われています。

 現在の兵庫県高砂市内にある高砂神社の社伝によれば、ひとつの根から雌雄の幹の立ち上がる「相生の松」が境内に生い出でたのは神社開創から間もない頃であったが、ある日ここに二神が現われ、「我神霊をこの木に宿し世に夫婦の道を示さん」と告げたところから、相生の霊松および(じょう)・姥(うば)の伝承が始まったとされています。

『高砂』はいつしか夫婦和合・偕老長寿の象徴とも受け取られるようになりました。 (じょう)・姥(うば)のモチーフは「高砂人形」と呼ばれる人形となり結納品のひとつとされたほか、一般におめでたい図柄として大衆化し、さまざまに使われています。「高砂や」に始まる謡曲「高砂」は、この伝説をもとに世阿弥(13631442)によって作られたもので、婚礼における祝言歌の定番となり、長い間歌い継がれてきています。

 

また、『おまえ百までわしゃ九十九まで共に白髪の生えるまで』と謡われています。“尉と姥”は平和の力と技術を表し、また慈愛と健康長寿の象徴として、結納品にも使われています。尉の持つ熊手(九十九まで)は寿福の象徴でもある相生松の松葉を掻き集める道具として、縁起ものになくてはならないものであるし、姥の手にする箒(掃ハク=百)は、清浄にする意味と厄を祓いのける呪術的意味があり、厄を祓い福を招き寄せることを表し、夫婦和合長寿を祈っています。鶴と亀も長寿の生き物で一緒に描かれています。縁起物に熊手などがあるのはここからきているのですね。

 

いろいろな図柄の節句幟。
高砂01 高砂02  
 

若松旗店の作業場。
高砂03 高砂04 高砂05
 

顔、髪、服、熊手などに高度なグラデーション技術。顔も微妙な濃淡で立体感を表現。

   

  高砂06    高砂07  
顔、背景も細かなグラデーション技術。白色の染料はないので高度な技術が必要。
   高砂08    高砂09
   

長いので横にして撮影。            通常は下に氏名と年月日が入る。
高砂10 高砂11
家紋は、子供の母親方が下で嫁ぎ先が上。 節句幟は母親方から嫁ぎ先に贈る習慣。

 

高砂12 高砂13 
 

千葉県佐倉市にある「国立歴史民俗博物館」で、20131126日~201456日までの間に、第4展示室「民俗」特集展示「さまざまな節供」としてこの節句幟が展示していますので、お近くの方は見に行ってください。

また、同博物館によると、節供というと三月の上巳の節供と五月の端午の節供がよく知られて三月は女の子の、五月は男の子のお祝いとして、基本的には子どもを中心とした行事となっているが、節供は、正月七日の人日、三月三日の上巳、五月五日の端午、七月七日の七夕、九月九日の重陽の五節供などは古くから年中行事として位置づけられ、重要な節目で、このほかにも八月一日の八朔などもあり、必ずしも子どもだけの行事ではないとのことです。

  特集展示のパンフレット

   

   高砂14    高砂15  

若松旗店はいつでも見学することが出来ますので作業を一度見てはいかがでしょうか。

連絡先

地細工紺屋 若松旗店

八幡浜市浜之町182-2  0894-24-0691

 

By 「ひとりしずか」でした。

 


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