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2012
04.21

筒描染 校旗 地細工紺屋若松旗店

江戸時代後期文政5年(1822)創業の愛媛県八幡浜市で創業当時からの「筒描染」の手法を用いて手染めで染物を行っている 地細工紺屋若松旗店 での 校旗 の製作過程を紹介します。

地細工紺屋とは染付けから縫製・仕立てまで何でも細工できる染物屋のことです。


 まず、下書きが必要ですが、単純に考えると、古い校旗を借りて布の下に敷いて校章を上からなぞればいいと思いますが、紺屋の世界ではこのような「紋」を描く場合には必ず「割り出し」という作業が必要で、若松旗店では、江戸時代に作成された「紋」一覧や割り出しの方法を書いた書物が残っています。
  

割り出しの仕方や紋の種類が載っている江戸時代の「早引紋帳大全」値打ち物です。

校旗01 校旗02
 割り出しの仕方。
校旗03  校旗04
「紋」の種類がたくさん書いてあってびっくりします。  
校旗05  校旗06
校旗07  校旗08 

 割り出しには、「ぶん回し」という竹で作っているコンパスのようなもので円の中に校章が均等になるように配置する必要があります。パソコン処理でなく手作業でこんなに細かな作業があることにびっくり。黒い線は桐の木で墨を作っている。

校旗09  校旗10 
校旗11  校旗12 
 

 

今回の校旗は、全体が緑色で校章部分が白色です。

作業は、緑色の布に校章部分を白色に塗るのではなく、染物は必ず白い布地から始まり、白色にしたいマーク部分以外を緑色に染色することで白色の校章を作ります。

その染色時に、白色にしたい校章部分に染料が付かなくする必要があります。(防染)

 その防染方法に、もち米を粉にしたもち粉を水等でねって作った糊で、白くしたい部分に塗ることを「糊置き」といい、布に染料が染みるのを糊で覆って防ぎます。その糊を塗る作業に創業当時からの手法である、和紙に柿渋を塗って作った円錐形の筒に糊を入れてデコレーションケーキのように絞りながら描くやりかたを「筒描(つつが)き」といい、この糊置き作業を筒描きで行い染色したものを「筒描染(つつがきぞめ)」と言う。

 

最初は下書きを細くなぞる。口先は大小の種類があって使い分ける。

校旗13  校旗14  

 

白くする部分(染色しない部分)を糊で塗りつぶす。もちろん筒描き。

校旗15  校旗16  

 

 糊を置く(塗る)と糊が乾かないうちに米ぬかをふりかけて糊に満遍なく定着させ、余分な米ぬかを払い落とす。
校旗17  校旗18 

 

 布を裏返しにして刷毛で水(染料の種類によりふのり等を溶かす)を塗ります。表の糊が裏側まで浸透させる。(裏水引き)

校旗19  校旗20 

 

 天日で乾燥させる。

校旗21  

 
 刷毛で緑色の染料を全体に塗る。(染色)このとき何回も染料をあわせていろいろな緑色を作り、乾燥後を考えたベストの緑色を選ぶ。

校旗22  校旗23 

 

 日陰で乾燥させる。

校旗24

 定着剤を刷毛で全体に塗る。(色止め)定着剤を塗らなければ水に濡れると色が落ちる。

校旗25 校旗26    

 

 水洗い。この時、最初は素早く米ぬかをブラシで落とし、一日がかりで糊を流し落とす。この時白い校章部分が汚れないように常に気を使って作業を進める。

校旗27  校旗28  

 

 天日干し。

 校旗29


 仕立て。布を裁断・縫製し、ひもを通す部分に金具を付けてひもをとおす。アイロンをかけて完成。

校旗30

 この校旗は、この2月1日に 愛媛県立八幡浜工業高校 で創立50周年記念式典に使われました。八幡浜工業高校は、平成23年度、生徒がアラブ首長国連邦で開催されたロボット競技国際大会「WRO2011」で世界一になったほか、卒業生が技能五輪全国大会の情報ネットワーク施工部門で優勝するなど活躍があり、校舎も新築し、創立50周年と記念すべき年でした。今後の活躍を期待します。


 また、地細工紺屋 若松旗店は、長年にわたる技術の承継が認められて、この 3月27日 に若松旗店が作る「筒描染製品」が 愛媛県伝統的特産品 に指定されました。まさにこの校旗は筒描染製品で愛媛県伝統的特産品です。

 今回の取材にあたって、若松旗店には忙しいところいろいろとご協力いただきありがとうございました。今後の若松旗店のさらなる飛躍を願っています。

 

 by 「ひとりしずか」 でした。

 



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コメント
地域の文化・歴史・風土・ことばをよく調べると、今まで見えなかった事が見えてきます。
これからの方向性を決めるヒントに成るかも知れません。
国際情勢なども同じで、ニュースだけの情報では常識では考えられない隣国の内情も歴史・文化・国民性まで深く調べると、問題の根っこの部分が見えてきます。

これだけのレポートをまとめるのは大変だったでしょう
よく調べました
ヒロdot 2012.04.21 18:01 | 編集
一つの校旗を作るのにこんなにたくさんの工程があるとは驚きでした。職人さんの技と伝承に感動感嘆感激です。いつも若松旗店さんの前を通ってますが店の奥が深く実際こういう風に旗が出来上がっているんだと知りました。ありがとうございます。
みかんおばちゃんdot 2012.04.22 18:48 | 編集
コメントありがとうございます。
若松旗店のご夫妻は人柄がよく温かく取材に協力していただいたおかげでブログ掲載できました。
「筒描染」の素晴らしさを少しでも多くの方に知ってもらうために努力したいと思っています。

これからも、身近にある素敵なものを探してご紹介したいと思いますのでご愛顧のほど、よろしくお願いします
蜜柑ちゃんと鯵尾くんdot 2012.04.23 22:23 | 編集
コメントありがとうございます。
若松旗店のご夫妻は人柄がよく温かく取材に協力していただいたおかげでブログ掲載できました。
「筒描染」の素晴らしさを少しでも多くの方に知ってもらうために努力したいと思っています。

これからも、身近にある素敵なものを探してご紹介したいと思いますのでご愛顧のほど、よろしくお願いします

蜜柑ちゃんと鯵尾くんdot 2012.04.23 22:28 | 編集
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