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2012
05.30

筒描染 節句幟 地細工紺屋若松旗店

文政5(1822)創業 地細工紺屋若松旗店 (現五代目若松智氏:八幡浜市浜之町)が、江戸時代から続く 「筒描染」 の技法で節句幟を作られたので紹介します。この技法を使った染物は、「筒描染製品」として 愛媛県伝統的特産品 に指定(24.3)されています。

 

水洗い乾燥させ布の伸びを戻す。  下絵紅で下書き。

節句幟01   節句幟02

糊作り(季節等でもち粉、石灰、塩を分量調整)。柿渋を塗った和紙で作った筒に糊を入れる。

節句幟03   節句幟04

下絵に沿って筒描き(糊を置く)する。経験から培った高い技術が必要。

        節句幟05           節句幟06

糊が乾くまでに米糠をかける。糊が布裏まで通るよう裏水を引き乾燥させる。

節句幟07    節句幟08

染色。染料は乾くと色が変わるので染料の調合に長い経験が必要。 

       節句幟09            節句幟10

白色の染料はないので白馬の立体感表現に経験からの高い技術を要する。

節句幟11   節句幟12

立体感を表すグラデーションの色使い。緻密な作業である。

節句幟13        節句幟14

細部まで染色していく。納得するまで妥協はしない。

節句幟15         節句幟16

 全く同じものは作れない。    息子に技術の伝承。

     節句幟17     節句幟18

 背景を染色。           日陰で自然乾燥。

節句幟19   節句幟20

 色止め(定着剤)を塗る。    水洗いして染料が付いた糠と糊を落とす。

節句幟21   節句幟22

 日陰で自然乾燥。       隅取り。火鉢で温めながら油煙等を塗る。

節句幟23       節句幟24

二人がかりで火鉢の上に布をピンと張り、細部まで丁寧に描いていく。

節句幟25   節句幟26

奥様の留美さんがロープを通す「チチ」を縫い付ける。  完成。

節句幟27       節句幟28

     節句幟29          節句幟30

     節句幟31        節句幟32 

 北条の仲田氏宅の飾り風景。以前若松旗店で作った長男分と合わせて飾ってあった。

節句幟33       節句幟34 

風の都合で裏側の写真であるが、両方とも実に細かで迫力ある幟である。
     節句幟35          節句幟36 

この節句幟の制作に当たり、若松氏は日曜日も休まずに作業にいっさい手を抜くこともなく自分のこだわりを追い求めて完成に約3週間の時間を要した。

今回の作業を取材して、若松氏のよりいいものを作ろうとする研究熱心で前向きな姿勢に伝統的技法を大切に守っていこうとする気概が感じられた。それととともに、創業以来続く「筒描き」や「手染め染色」を行うには、長年培ってきた経験から導かれた高い技術によって初めてできるものであることがわかった。

取材を始めてから、各地で立てられた節句幟を気にして見たが、最近は印刷物の幟が多く若松氏がつくった幟は印刷物と違って重厚な雰囲気が感じられた。
 作業を取材するとき若松氏は、「遠くから見るとこのこだわりはわからないと思うが、かといって決して手は抜かない。自分が納得するまでよりベストを追求する。」といって細かな作業を繰り返していた。真面目である。あらためて職人のすごさを感じた。
 現在の印刷技術の向上で機械製造された大量生産のものと、ひとつひとつ丁寧に手作りして同じものがない一点物とを見比べるとあきらかな違いを感じることができた。

不思議なもので、作業中の若松氏はキャンパスに絵を描いている画家とまったく同じであり、完成した幟を見ると有名画家の作品を見て感動するのと同じ気持ちになった。来年の春、あなたも節句幟を見かけたら立ち止まってじっくり見てみてはいかがでしょうか。

 今回、地細工紺屋若松旗店及び北条の仲田氏のご協力をいただきどうもありがとうございました。

 by 「ひとりしずか」でした。


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