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2013
05.01

筒描染 貨物船フライ旗 地細工紺屋若松旗店

愛媛県八幡浜市浜之町で、文政5(1822)創業地細工紺屋若松旗店の五代目 若松 智 さんが、江戸時代から続く「筒描染」の技法を用いて作った「貨物船フライ旗」を紹介します。

フライ旗とは、漁船に飾る大漁旗のことを昔から「フライ旗」と言っていました。フラッグという外来語がいつしか「フライキ」というようになったとの説があります。今回は貨物船に飾るもので漁船に飾る大漁旗の4倍近い大きさがあります。

旗の左側のマークは「熨斗(のし)」のマーク。大漁旗はお祝いとして船主に贈られるもので、そのため旗には「のし」の印しが入る。

【完成品】縦 2.1m × 横 3.3

フライ旗01 フライ旗02
フライ旗03 フライ旗04
フライ旗05 フライ旗06 

【作業工程】

布を水に浸け込み乾燥させて布の伸びを戻した後、下絵を桐の木で作った炭で下書きし下絵液で描く。上下別々に作って最後に2枚を縫い合わすため位置合わせを慎重に行う。旗の大きさは半端でない。漁船でなく大きな貨物電用だから旗も大きい。
フライ旗07 フライ旗08 

違う色とのさかいが滲まないように色の境部分や白色の染料がないため、文字部分など白色にする部分に、柿渋を塗った和紙をロート状にした糊筒にもち米の粉で作った糊を入れて下書に沿って糊を置く。この糊を置く作業が江戸時代の創業から続く「筒描き(つつがき)」の技法で、線の幅によって筒先の大小の口金を使い分ける。糊を同じ幅、同じ厚さの均等に絞り出すことや真っ直ぐやきれいな円に描くことは長年の経験と技術がないと出来ない。まるで筆で書いたようになるよう、とめ・はね・かすれ を描く。
フライ旗09 フライ旗10 

 糊が乾かないうちに大鍋で炒って油抜きして漉した米糠をかけて糊を覆う。余分な米糠は箒で掃う。
フライ旗11 フライ旗12 

 裏水引き。生地の裏側にふのりを溶かして作った液を塗り表側の糊を裏側まで浸透させる。こうすると糊部分に染料は染み込まない。下絵は水に濡れると消える。その後乾燥。
フライ旗13 フライ旗14 

染色。染料を刷毛で塗る。種類の少ない染料を調合して色を作る必要がある。顔料は使用せず昔ながらの風合いを守るため染料を使用している。乾燥すると色が変化するので水洗い・乾燥後を考慮した染料の調合に長年の経験が必要である。
フライ旗15 

色止め。定着剤を塗る。
フライ旗16 

水元。(水洗い)。糊と糊に付いている米糠を洗って落とす。糠を素早く落とす。糊はなかなか溶けないため一日かけて水の中に何回も浸けて柔らかくしながらブラシで洗い落とす。
フライ旗17 

乾燥
フライ旗18 

奥さんの留美さんが上下縫い合わせて完成。
フライ旗19 

若松旗店では、最近は多色の顔料があってそれを使うと作業は楽になるそうですが、昔からの染料は作品の風合いも良いので、昔ながらの色数の少ない染料を使い続け日本古来の伝統を守り続けています。この創業当時から続く「筒描染」の技法の染物は「筒描染製品」として「愛媛県伝統的特産品」に指定されており、今回、若松智さんは長年の努力が認められて平成25322「えひめ伝統工芸士」に認定されました。

また、イノベーション力のある日本の老舗企業として、日本経済新聞出版社2013.1.7発行の日経ビジネス文庫「200年企業Ⅲ」に若松旗店が取り上げられて掲載されています。

若松旗店はいつでも見学することが出来ますのでぜひ作業を見てはいかがでしょうか。

連絡先  地細工紺屋 若松旗店
  八幡浜市浜之町182-2 0894-24-0691

 by 「ひとりしずか」 でした。






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