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2013
05.13

筒描染 大漁旗&愛媛県立八幡浜高校生の見送り

平成2553日(金)、愛媛県八幡浜市 にあるフェリー乗場で、地元の 県立八幡浜高等学校商業研究部 の生徒が出港するフェリー乗客に対し、 大漁旗 を振って「見送り」活動 を行ったほか、待合ロビーで「記念カード」や「女子高生が作ったちゃんぽんレポート」を配布して八幡浜市のPRを行いました。
見送旗01  見送旗02

 

八高商業研究部のマスコットキャラクター「清太郎」も見送り。
見送旗03  見送旗04
見送旗04  見送旗06

  

この「見送り」活動は、青森県大間町の高校生と地元の町おこしグループが見送り活動を行っていることを知った八高生が、八幡浜市活性化の一助にと2年前からお盆や正月などフェリー利用者が増える時期に年に数回、八幡浜港から出港するフェリー乗客に対し、「楽しい旅行を!八幡浜へまた来てね。」の看板や市内唯一トロール魚船を所有している(有)昭和水産から借りた大漁旗を振って見送り活動を行っています。

この見送りに対してフェリー会社には、「見送り活動に感動した。」や「また八幡浜港からフェリーを利用したい。」との好評メールが多く届いたため、今回、宇和島運輸フェリー(松岡宏社長)は、大漁旗を新調して八高生に寄贈しました。

宇和島運輸㈱社長室で、松岡社長から大漁旗を受け取る八高生。
見送旗07  見送旗08

       記念撮影
      見送旗09

 

大漁旗。

この旗は、八幡浜市内で文政5(1822)創業の 地細工紺屋若松旗店  5代目 若松 智 さんが、江戸時代から続く 「筒描染」 の技法で作ったもので、若松さんは 「えひめ伝統工芸士」 に認定されており、筒描染は県の伝統的特産品に指定されています。

旗は、「愛媛県立八幡浜高等学校」、「宇和島運輸株式会社」とフランス語で「ご安航を祈る」という意味「BON VOYAGE(ボンヴォヤージュ)の文字と宝船に乗ったえびす様の絵、特に帆には普通は赤色で「宝」と入るが、宇和島運輸㈱のマークの「宇」が黒字で入っている。左上には贈呈を示すひらがなで「のし」を表す「わらび(わらびのし)」の絵が入る。ひらがなで「のし」と続けて書くとわらびの形になることから、のしの印しがわらびの形になったとのことである。

今回の大漁旗の製作について若松智さんに聞くと、「文字が遠くからよく見えるような書体を選んだ。文字が小さくて数が多く、絵模様も細かなため筒描き(糊置き)に時間がかかり、糊が乾かないうちに作業を進めないといけないので大変苦労した。帆の会社のマークは赤字は縁起が悪いので黒色にし、バランスを考えて普通より横長くした。」とのことでした。白色の染料はなく、文字や模様の白い部分が糊を置いて防染し、染めずに布地の元の白色を出しています。
          (拡大して見て)

       見送旗10

【大漁旗製作の様子】

布を水洗い乾燥させ伸びを戻す。ひげは染色水洗い後柿渋で描くため鉛筆を使用する。
見送旗11  見送旗12

 

下絵を書く。下絵は水に濡れると消える。筒描き。もち米粉の糊を和紙の筒に入れて糊を置く。
見送旗13  見送旗14

 

これが創業時からの「筒描き」の技術。経験を積まないと出来ない実に細かな作業である。
見送旗15  見送旗16

 

糊が乾かないうちに油抜きした米糠をかけて米糠が糊を覆うようにする。

 

見送旗17   見送旗18

裏水引き。裏側に水を塗って表に付けた糊を裏側まで浸透させる。下書きは消える。
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乾燥。              染色。立体感の表現に苦労。
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最近の顔料でなく昔からの色数の少ない染料を調合して染色。赤色は2種類の染料を使う。
見送旗23  見送旗24

 

立体感を表すグラデーションに仕上げるため、先に水を塗って染み込ませる高度な技術。
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染料は乾くと色が変化するので乾燥後を考えた染料の調合に長い経験が必要。
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何気ない個所にも細かな染色が施されている。白色の染料はないので白部分の立体感が難しい。
見送旗29  見送旗30

 

波の部分もグラデーション技術で立体感を表現。  乾燥。
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色止め。定着剤を塗る。
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水洗い。糊と米糠をブラシで洗い落とすが糊はなかなか溶けないので1日かけて行う。
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乾燥。米糠を落とすと白色部分が出る。隅取り。柿渋で溶いた紅柄(赤色)や油煙(黒色)を刷毛で塗る。
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縫製。奥さんの留美さんが仕上げ。今回は防水加工も施す。
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完成。絵は細部までグラデーション技術を駆使し立体感がある。
         見送旗41

この「筒描染」のようにもち米から作る糊を置いて染色する方法は友禅染めなどと同じ技法で、日本の気候風土に合わせて日本独自に考え出され発達した技術です。

若松旗店では、約190年前の江戸後期創業時から続く、柿渋を塗った和紙をロート状にした糊筒で糊を布の上に置く(塗る) 筒描」 の技法を用いる染色(筒描染)を守り続けている。また、昔からの風合いを守るため、色数の多い顔料ではなく昔からの染料を使い続けている。染料は色数が少ないため表現したい色を出すためには何度も染料を調合して色を作りながら作業を行っている。乾燥すれば色が変化するため長年の経験がないと染料の調合も難しい技術です。さらに、染色にあたっては、立体感が現れるようグラデーション技術を駆使している。

 この筒描き、染料の調合、グラデーション立体的染色の技術の取得には、長年の経験とたゆまない努力がないと身につけることはできません。それが評価されて5代目若松智氏は、「えひめ伝統工芸士」に認定されています。

 この、八幡浜にある、県立八幡浜高校の生徒、フェリー会社の宇和島運輸㈱、そして伝統的技術の若松旗店 の3者が、八高生の「見送り」活動に関わっていることを思うと、この4月に八幡浜市に道の駅・みなとオアシス「みなっと」ができたこともあり、これから八幡浜の「底ヂカラ」でもっともっと活気が出てにぎやかになるような気がします。

この53日の八高生の活動は、大間町の高校生も同日に地元で活動を行っており、同じ日に遠い青森県と愛媛県の高校生が同じ活動をしたということで不思議な縁を感じるとともに、高校生の地元にかける熱意を強く感じることができます。

八幡浜高校商業研究部(アキンド)は、以前から商店街のイベントに参加するなど八幡浜市の活性化に積極的に取り組んでおり、今後とも皆さんの熱心な取り組みに期待いたします。

 

by 「ひとりしずか」 でした。



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