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2013
07.18

筒描染 神宮皇后座敷飾り 地細工紺屋若松旗店

愛媛県八幡浜市で、文政5年(1822年)創業の地細工紺屋若松旗店の5代目 若松 智さんが、江戸時代から続く「筒描染」の技法で作った「神宮皇后座敷飾り」を紹介します。
 今回、作成依頼された方は五十崎のご夫婦で、八幡浜市に今年4月オープンした道の駅・みなとオアシス「みなっと」に行って若松旗店のパンフレットを見て店に来られ、神宮皇后の絵柄を気に入られて奥様のために注文されたとか。これは元々は節句幟として屋外に立てる大きな幟(約10m×1m)であるが、部屋に天井から吊して飾れるようにとの意向で約2.8m×0.85mに 工夫して作ったものである。
     神宮皇后01  

【作業の様子】
 下絵出し。布を水洗い乾燥させて伸びを戻した後で桐の炭や下絵液で下書き。下絵は水に濡れると消える。筒描き。もち米粉の糊を和紙の筒に入れて糊を置く。
神宮皇后02 神宮皇后03
 
 これが創業時からの「筒描き」の技術。経験を積まないと出来ない実に技術の必要な作業である。糊が乾かないうちに油抜きした米糠をかけて米糠が糊を覆うようにする。染色後、糊の部分が染色されず白く残るようになる。
神宮皇后04 神宮皇后05
 
 裏水引き。布の裏側に水を塗って表に付けた糊を裏側まで浸透させる。このとき下書きは消える。
神宮皇后06  

 乾燥後染色。
神宮皇后07    神宮皇后08 
神宮皇后09    神宮皇后10
   
 若松旗店は、最近の多色の顔料でなく昔からの色数の少ない染料を調合して色を作る。染色は立体感を表すグラデーションに仕上げる。染料は乾くと色が変化するので乾燥後を考えた染料の調合に長い経験が必要。何気ない個所にも細かな染色が施されている。白色の染料はないので白っぽい部分に立体感を表現さすことが難しい。
                 高度なグラデーション技法。
神宮皇后11 神宮皇后12                     
 先に布に水を染み込ませ、染料を付けた刷毛で色をぼかしていく。
神宮皇后13 神宮皇后14  
 少しずつ染料が薄くなっていく。長年の経験でしかできない技である。
   神宮皇后15    神宮皇后16
神宮皇后17 神宮皇后18
神宮皇后19 神宮皇后20 
 
  乾燥。             色止め。定着剤を塗る。
神宮皇后21 神宮皇后22  

 水洗い。糊と米糠をブラシで洗い落とすが糊はなかなか溶けないので1日かけて行う。
神宮皇后23 神宮皇后24
 
 乾燥。   隅取り。柿渋で溶いた紅柄(赤色)や油煙(黒色)を刷毛で塗る。
神宮皇后25 神宮皇后26  
 火鉢の上で熱しながら二人がかりでの作業。夏は暑くて大変。
神宮皇后27 神宮皇后28  
 丁寧に細部まで仕上げていく。
神宮皇后29 神宮皇后30  

 縫製。奥さんの留美さんが仕上げ。
神宮皇后31 神宮皇后32
 
 完成。絵は細部までグラデーション技術を駆使し立体感がある。実に手がこんでいる。 
   神宮皇后33    神宮皇后34 
 
 旗のオレンジのぼかしがすばらしい。 
    神宮皇后35    神宮皇后36

 刀の鞘のトラの模様も細かい。弓矢の羽根の微妙な色の変化。
   神宮皇后37    神宮皇后38   

 立体感のある顔。 砂の黒色から灰色の変化は高度な技術が必要。
   神宮皇后39    神宮皇后40  
     
 丸部分の立体感など実に細かな作業である。
神宮皇后41 神宮皇后42
 

 この「筒描染」のようにもち米から作る糊を置いて染色する方法は友禅染めなどと同じ技法で、日本の気候風土に合わせて日本独自に考え出され発達した技術です。
 若松旗店では、約190年前の江戸後期創業時から続く、柿渋を塗った和紙をロート状にした糊筒で糊を布の上に置く(塗る)「筒描き」の技法を用いる染色(筒描染)を守り続けている。また、昔からの風合いを守るため、色数の多い顔料ではなく昔からの染料を使い続けている。染料は色数が少ないため表現したい色を出すためには何度も染料を調合して色を作りながら作業を行っている。乾燥すれば色が変化するため長年の経験がないと染料の調合も難しい技術です。さらに、染色にあたっては、立体感が現れるようグラデーション技術を駆使している。
 この筒描き、染料の調合、グラデーション立体的染色の技術の取得には、長年の経験とたゆまない努力がないと身につけることはできません。それが評価されて5代目若松智氏は、「えひめ伝統工芸士」に認定されています。

※【7月29日(月)午後9時~10時、BSジャパン放送予定】
 6月29日(土)夕方、BSジャパンの「にっぽんの原風景紀行」のロケが若松旗店ほかで行われ、俳優の温水洋一さんが来られて撮影が行われた。放送は、7月29日(月)午後9時から10時の予定です。
ぜひご覧ください。
神宮皇后43 神宮皇后44
神宮皇后45 神宮皇后46
神宮皇后47 神宮皇后48  
 
by 「ひとりしずか」 でした。

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